セブン&アイ・ホールディングスは、主力のコンビニ事業を強化するため、国内のおよそ1万店に店内調理の設備を導入するなど100億円規模の投資を行うことがわかりました。カナダのコンビニ大手から買収提案を受け、企業価値の向上が課題となる中、焼きたてのパンなど取り扱う商品を増やすことで、売り上げの拡大を図るねらいです。
関係者によりますと、セブン&アイ・ホールディングスは、主力のコンビニ事業を強化するため、国内の店舗の半数近くにあたるおよそ1万店に100億円規模の設備投資を行うことがわかりました。
オーブンなどの器具を設置し、店内で調理した焼きたてのパンやクッキーなどを販売することにしていて、来年2月までに順次、導入を進めることにしています。
また一部の店舗では、冷凍食品や生鮮食品の品ぞろえを増やすことにしていて、取り扱う商品を増やすことで集客力を高めるねらいがあるものとみられます。
セブン&アイでは、創業家側による会社を非上場化する計画が白紙となったことを受けて、自社単独で企業価値を向上させる案を軸に検討を進めていて、主力のコンビニ事業の強化が課題となっています。
今回の設備投資はその一環として行うもので、会社は、国内のコンビニ事業の強化策の柱としてこの計画を打ち出すことにしています。
一方、コンビニ以外の事業については、6日開く取締役会で傘下のイトーヨーカ堂のほか、雑貨店やレストランなどの事業を束ねる会社の株式の大半をアメリカの投資ファンドのベインキャピタルに売却することを決める方針です。