「交番」「派出所」と「駐在所」はどう違うの?
先日、田舎が舞台のサスペンスドラマを観ていたら、探偵役と対立する「駐在さん」が珍しくきりっとした俳優さんで目を奪われてしまいました。 ドラマの間は気にならなかったのですが、彼らは「駐在さん」と呼ばれてはいるものの、立派な警察官のはず。駐在さんのいる「駐在所」と、私の家の近所にある「交番」に何か違いはあるのかしら? それに、お巡りさんがいる場所という単語なら「派出所」というものもあるけど、「交番」「派出所」「駐在所」はそれぞれ違う意味なのかしら?
調べてみると、「交番」と「駐在所」には大きな違いがあることがわかりました。
警視庁のホームページによれば、交番と駐在所はともに「地域住民の身近な所にあり、警察官が勤務して、地域住民の皆さんのくらしの安全を守る活動をする拠点」(原文ママ)とされています。交番も駐在所も、基本的な働きは同じということですね。
しかし、同ホームページによれば、都市部に置かれ、警察官が交代で警戒活動を行っているのが交番。一方の駐在所は、1人の警察官が家族とともに居住するものを指すんだそう。確かに、言われてみればドラマに出てくる駐在所もお家のような内装だったり、そこに駐在さんの奥さんが住んでいたりしたっけ……。
日本に初めて交番ができたのは明治7年のこと。当時は「交番所」と呼ばれており、建物があったわけではなく交代で立番を行う場所を略して「交番」と呼んでいたみたいです。
その後、交番所に建物が建てられ、明治14年に「派出所」に名称が変わります。さらに明治21年には「派出所」と「駐在所」に名前が全国統一されたものの、市民の間では「交番」という呼び名がそのまま残っていたんだそう。
この「交番」の呼び名が定着し、さらに海外でも「KOBAN」として通じるようになってしまったことから、平成6年に「派出所」から「交番」へと正式名称が変わったんですって。
つまり、「派出所」と「交番」に違いはなく、「派出所」はかつての正式名称で、「交番」は昔の略称兼今の正式名称ということなんですね!
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