日韓の「悪口文化」:韓国人いわく、日本語は悪口が少ない
東京で日本語を学んでいた知人の韓国人と話をしていたとき、彼女が韓国語との違いについて「日本語には悪口が少ない」と指摘した。
韓国語はというと、「悪口がすごく発達しています。相手や気持ちの程度に応じて、たくさんの種類の悪口があります。でも日本語ではバカ・アホとか種類が少ないし、相手をののしる程度もおだやかです」
ということだ。
このあと日韓の文化論になって、韓国人は思ったことをハッキリ言葉にするけど日本人は遠回しに伝えるとか、日本人は相手を傷つけないよう配慮するけど、韓国人は相手に分かりやすく伝えてその場で解決しようとする、なんてことを話をする。
韓国語に比べて、日本語には相手を罵倒する言葉が少ない?
そう聞いたのはこのときが初めてで、意外に思ったから、これが頭に引っかかっていた。
さて日本には、かつて「悪口禁止法」があったのをご存知だろうか。
鎌倉時代に北条泰時が制定した御成敗式目には「悪口の咎(とが)の事」、いわゆる「悪口罪」があった。
相手をののしることから、殺す・殺されるの争いが起こったことから、こんな罪ができたらしい。
韓国の歴史で庶民同士でも悪口を言ったら罪になるという時代があっただろうか?
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[単語]
1. ののしる : ひどい言葉で悪口を言う。声高に非難する。
2. 罵倒する(ばとう):激しい言葉でののしること。
3. 北条泰時(ほうじょう やすとき):鎌倉時代前期の武士。北条氏の一門。
4. 御成敗式目(ごせいばいしきもく): 鎌倉時代にできた法律
5. 咎(とが): から責められたり非難されたりするような行為。