運動会は日本だけの文化?
日本の運動会のはじまりやその特徴と、それに対する海外の反応などについて解説します。
►日本の運動会の特徴
現在日本の学校で開催されている運動会は、明治時代の海兵学校でおこなわれたものが始まりだといわれています。もともとの運動会は、19世紀にイギリスのオックスフォード大学で開催されたものが起源とされており、日本の運動会も当初は西洋の文化を参考にしていたようです。しかし、その後いくつかの戦争を経て、第二次世界大戦中には軍事的要素が次第に強まり、訓練を目的とした種目が取り入れられるようになっていきました。現在日本でおこなわれている運動会に騎馬戦や整列、行進などがあるのも、その時の名残りだといわれています。現代の日本では大学や高校はもちろん、小中学校や幼稚園、保育園でも運動会が開催されており、個人競技と団体競技の両方を含むのが一般的です。
►海外には日本のような運動会がない
日本の運動会では、個人競技のほかに開会式での行進や組体操、騎馬戦といった団体競技も多く取り入れられていますが、海外で開かれる運動会では、チームプレーが必要なスポーツを除き、生徒全員が一丸となって1つのことを成し遂げる、といった行事はあまりおこなわれていません。そのため、海外の人から見た日本の運動会には賛否両論があるようで、「協調と和を大切にしていて日本人らしい」「整った列や行進が美しい」といった賞賛がある一方で、「軍隊のようで怖い」「自分にはできない」「全体練習に時間を費やす意味はあるのか」といったネガティブな反応も見受けられるようです。
日本の運動会や体育の授業は海外とは大きくことなり、海外では自由参加の個人競技やゲームを楽しむ目的のイベントとなっています。全員参加でどこか堅苦しい雰囲気のある日本の運動会は、海外の反応も意見が分かれるところですが、日本人らしい和の精神を培う要因の1つとなっているのかもしれません。
リンク : https://haa.athuman.com/media/japanese/culture/2154/
[単語]
1. 騎馬戦(きばせん) : 主に、小中学校の運動会で行なわれる競技種目
2. 賛否(さんぴ) : 賛成と不賛成のこと。
3. 堅苦しい(かたくるしい) : 気楽なところがなくて窮屈(きゅうくつ)である。