デパ地下の惣菜コーナー「こんなに割引して大丈夫?」の真相
夕方のスーパーで、大幅値下げをしているお惣菜をみて、嬉しい反面、「こんなに割引して、スーパーはやっていけるのかしら」と心配したことはないでしょうか。そこには店の利益を最大化する戦略が隠されています。
[お得な「割引価格」を経済学的に説明すると…]
日曜日の19時にデパート地下のお惣菜売り場へ行くと、お惣菜の30%割引きなどをやっています。
このことは経済学的にはどう説明できるでしょうか?
割引価格ですとややお得感があり、本来は外食に行くつもりが、惣菜で済ませておこうかという気になりますし、つい必要以上に購入してしまうこともあります。日曜日の夕方に売れ残った惣菜は明日になれば腐って商品にならないこともありますから、店側も低価格にして売れ残りを少なくしたいのです。
[新刊書を発売して、数年後に文庫本を発売する目的は何でしょうか?]
新刊の時は高くて読めなかった人が、多少情報が古くなっていても文庫本なら購入しますので、本来読者とならなかった人が価格を下げることで顧客となります。中高生には映画館の学生割引がありますが、映画館の空席を埋めるための戦略です。
出発日の近い飛行機に空席があると、バーゲン価格にして空席を埋めようとするのも同様です。一人多く乗せた時に生じるコストはピーナツ1袋と炭酸飲料1本程度(=これを限界費用と呼ぶ)ですので、たとえ5000円で乗せても利益に繫がります。最終的には限界費用より1円でも高ければ利益になります。
[「価格差別化」で、利潤の最大化が可能]
このように価格差別化とは、価格設定能力のある(ある程度のマーケット・パワーまたは独占力を有している)企業が、市場において複数の消費者が存在することがわかっている場合に、製品・サービスを、コスト差に基づいたものでない2種類以上の価格差で販売することです。
リンク : https://news.yahoo.co.jp/articles/1fe0a2e71b841c668d6c3485d76cbcb57b99b45b?page=1
[単語]
1. 惣菜(そうざい) : 飯とともに食べる料理。副食、おかず
2. お得(おとく) : 利益が得られること。有利であること。儲かること。得。お値打ち。
3. 繫がる(つながる) : 離れているものが結ばれて、ひと続きになる。