セブンレジの「ありがとう」音声 実は店員の不正防止策
コンビニ最大手・セブン―イレブンのレジで17日以降、アプリを使ってマイルをためるとこんな音声が流れるようになった。「セブン―イレブンアプリのご利用、ありがとうございました」。何げないお礼の言葉だが、実はこれ、都内の店舗で店員が起こしたある不正行為を機に導入された「再発防止策」だった。
6月27日午後7時40分過ぎ、東京都港区虎ノ門3丁目の「セブン―イレブン神谷町駅東店」。都内在住の男性は、ペットボトル入りのコーヒーなど3品を持ってレジに向かった。対応した男性店員は、レジ台の下からおもむろに取り出したスマートフォンの画面に、バーコードリーダーを当てた。「ピロリーン」と音がした。そして、店員は何事もなかったように、男性が購入する商品のバーコードを読み込んだ。
不審に思った男性は、普段は受け取らないレシートを「ください」と求めた。見てみると「会員コード」という欄があり、下5桁以外は「*」マークで伏せられた18桁の数字が並んでいた。
会員になっていない男性は「これって何ですか?」と尋ねたが、店員は明確な返答をしない。「とぼけている」と感じた男性は、「結構です。本部の人に確認します」と言って店を出た――。
セブン―イレブン・ジャパンによると、店員が取り出したスマホは私物で、レシートの会員コードは「セブン―イレブンアプリ」の番号だった。購入額200円(税抜き)で1マイルが得られ、マイルをためるといろんな特典と交換できる。店員は男性が買った「484円」分を自分のアプリに読み込み、2マイルを不正に取得していた。
同社は取材に対し、「他人の買い物でマイルを取得したことは不正行為にあたる」と答えた。確認できた不正はこの1件だけだが、店のオーナーは店員を退職処分にしたという。
この問題を受けて同社は、約2万1千ある全国の店舗に7月1日付で注意喚起の文書を送った。全国的な調査も進めたところ、他に5人の店員について同様の不正が発覚した。
今月17日にはレジのシステム改修を実施。それが冒頭の「アプリのご利用、ありがとうございました」という自動音声で、各店舗で順次導入されている。
リンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/8f001e6a60232562aff36e40fb81e77aa93ec127
[単語]
1.マイル(마일리지):利益。有用性。使用量。
2.おもむろに:落ち着いて、ゆっくりと行動するさま。
3.とぼける:聞かれたことに対して、わざと知らないふりをする。
3.冒頭(ぼうとう): 物事のはじめの部分。