「腕1本切り落とせば3000万円」「ヤクザは人として生きられない」
すさまじい世界
金と欲のままに生きる極道の世界。昨今では、暴力団排除条例によって人口は減っているといいますが、未だに組同士の抗争などが絶えません。そんな極道の世界にかつて身を置いていた男性は、どのような人生を歩んできたのでしょうか。
●「ヤクザは人として生きられない」
全国各地で施行される暴力団排除条例により、極道の人口は減少しているといいます。そしてタケシさんいわく、極道から足抜けしても5年間は各種契約の数々を制限され 「今、ヤクザは人として生きられない」 とのこと。
「じゃあどうやって生活するんですか?」という山里さんの問いに対しては、一般人の名義を借り、周りが犠牲になっていくと話すタケシさん。これには「なるほど」と思わず納得する人や「名義貸しはアカン」と闇の深さを実感した人などさまざまな反応がありました。
● どうやって足抜けしたの?
タケシさんが極道から足を洗うきっかけは、逮捕されて“厳正独居”と呼ばれる単独房に入ったことから。ここでは、たった1人で会話もなく座ったままの姿勢を強要され、動くと「運動違反」として懲罰を受ける厳重な規則があるとのことです。
これに対し「そんな拷問に近いようなことがあるのか」と唖然とする人、「『運動違反』はパワーワード」と衝撃を受ける人などいろいろな反応が見られます。
この厳正独居に2年間入った後、極道の洗脳から解けて家族のためにも足抜けを決意したタケシさん。そして今は、足抜けの際には指を詰めるのではなく「事務所の看板で稼いだんだから金返せ」と言われるそうです。このシステムに「借りてないのに??」と疑問の声、「いわゆるのれん代理論」と理解する声などが見られました。
●総括
足抜けのためのお金を払えなかったタケシさんは、家族から籍を抜き「飛んだ(逃走した)」といいます。その後、何とタケシさんは僧侶に鞍替えしていました。この斜め上の展開に驚いた人も多かったようですが、「ある意味正しい」との声もあります。
その後も、金づるにするためにヤクザから嫌がらせを受けるなどの仕打ちがあるそうですが、タケシさんは無事に生活できているとのこと。 「ヤクザから抜ける人の受け皿になりたい」というタケシさんには、今後も平穏な生活が訪れることを願うばかりです。
リンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/c717a263bd0e9720290d28acb67e1caaa0cc4803?page=1
[単語]
1.ヤクザ:ばくち打ち・暴力団員など、正業に就かず、法に背くなどして暮らす者の総称。
役に立たないこと。価値のないこと。また、そのものや、そのさま。「やくざに暮らす」「やくざな機械」「やくざ仕事」
2.すさまじい:程度がはなはだしいさま。恐ろしい。ものすごい。あきれるほどひどい。
3.極道(ごくどう):悪事を行ったり、酒色や道楽にふけったりすること。身持ちが悪く、素行のおさまらないこと。また、そういう人や、そのさま。
4.暴力団排除条例(ぼうりょくだんはいじょ‐じょうれい):社会・経済のあらゆる場から暴力団を締め出し、資金源を断つことを目的とする条例。
5.足抜け(あしぬけ):所属している境遇や集団などから抜けること。
6.足を洗う(あしをあらう):悪い仲間から離れる。好ましくない生活をやめる。
7.厳正独居(げんせいどっきょ):仕事も食事も自分の部屋で一人きりで行い、風呂も運動も一人で行うというものである。他の受刑者と話をすることはない。一人で運動するスペースは小さい。また、隣の受刑者とコンクリートの壁で仕切られている。
8.懲罰(ちょうばつ):こらしめのために罰を加えること。
9.拷問(ごうもん):さまざまな肉体的苦痛を与え、自白を強制すること。
10.唖然(あぜん):思いがけない出来事に驚きあきれて声も出ないさま。
11.洗脳(せんのう):その人の主義や思想を根本的に改めさせること。
12.のれん代:企業の買収で支払った金額と、買収先の純資産の差額。買収では、ブランド力や技術力など目にみえないものも考慮して、純資産を上回る値段で買うことがある。
13.逃走(とうそう):にげること。にげ去ること。
14.僧侶(そうりょ):出家して仏道を修行する人。
15.鞍替え(くらがえ):仕事・商売・所属などを、それまでのものから別のものにかえること。
16.嫌がらせ(いやがらせ):相手の嫌がることをしたり言ったりして、わざと困らせること。
17.仕打ち(しうち):他人に対する行為や態度。多く、悪い意味に用いる。