高校からの受験を停止する中高一貫校が続出 娘親は要注意
都内に住む佐藤榮子さん(仮名・49歳)は、「うちの娘(中3)は偏差値65以上なのに、受験できる高校は10以上も下げることになる」と嘆きます。
高校からの受験を停止している優秀な私立の中高一貫校が増えているのが理由です。
豊島岡女子学園中学校(東京都豊島区)は2022年度の入試から高校受験を中止します。豊島岡女子学園高校の授業料は40万円あまりで比較的安いこともあって人気でしたが、22年度からは中学校受験のみとなってしまいます(中学の授業料は42万円)。そうなると、東京で私立の偏差値65以上のブランド校となると、慶応義塾女子高校(港区)が高校受験可能です。
佐藤さんは「慶応はお金がかかり、ハードルが高い。中高一貫校の多くで高校募集をやめるということは、平均的な収入を得ている家庭の優秀な中学女子の将来をつぶすことになりかねません。格差を感じます」と憤りを隠しません。
■女子は受け入れなしばかり
こんな状況では、優秀な中学女子はどんどんモチベーションが下がるばかりでしょう。
女子では、東京のご三家といわれる、桜蔭、女子学院中学、雙葉中学や神奈川のご三家である横浜共立学園、フェリス、横浜雙葉は、どこも高校からの受け入れなしです。
確かに、お嬢さま学校のように女子校のブランド力は中高完全一貫のほうが高まり、先生から見ると教育もしやすいでしょう。
それに、共学より女子だけのほうが集中力が上がり、成績が向上するという統計もあります。
しかし、たとえ成績が優秀でも、高校から入ってくる生徒は、中学から一緒にいる“お嬢さま仲間”にはなじめず、それがイジメの原因にもなりかねません。
一方、麹町学園女子(東京都千代田区)や中村学園(東京都江東区)、聖セシリア女子(神奈川県大和市)など中堅クラスは停止していた高校からの募集を再開、和洋九段女子(東京都千代田区)は、グローバルコースを新設し募集しています。学費もブランド校ほどは高くありません。
中レベルの成績の私自身も高校の選択で失敗しました。素行の悪い中レベルの公立高校か、かなりレベルを下げた私立女子高しか選べず、結局、私立に入学してもモチベーションが下がり、全く勉強しなくなった経験があります。
高校受験にかかる塾代などの費用を考えれば、中高一貫校の学費は高過ぎるとも言いきれません。娘を持つ親は、早めの対策が必要でしょう。
リンク:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191204-00000009-nkgendai-life
[単語]
1.嘆く: 心にかなわぬことがあって、ため息をつく。
2.ハードルが高い:乗り越えなくてはならない障害が大きい。困難である。
3.モチベーション:【motivation】 物事を行うにあたっての、意欲・やる気。
4.ご三家:ある方面で有力、または有名な。