アマゾンが進める「置き配」。盗難リスクをどう防ぐか?
ネットを介してモノを購入するのが当たり前になった時代。通販サイトの需要はますます高まり、性別や年令、地域といった垣根を超えて多くの人たちが利用するようになりました。
昨今では、従来のように配送業者と荷受人が直接やり取りせずに荷物を受け取れる「置き配」と呼ばれるサービスも広がっています。アマゾンジャパンは10月1日より1か月間限定で、それを「標準」の配送方法とする実証実験を岐阜県多治見市で始めています。
しかし、便利だと期待される一方で、利用者側からは盗難や損傷といったリスクを懸念する声も上がっています。では、実際にどのようなトラブルがあったのか。置き配関連のサービスを提供する企業からのコメントも交えて、紹介していきます。
野ざらしで放置され、高価なモノがあわや…
一般的に「置き配」は、家主が不在のままでも荷物を受け取れるサービスです。Amazonの「置き配指定」を例にとると、再配達依頼をする必要がなく、配送場所も玄関先や軒先にあるガスメーターボックス、自転車かごの中などさまざま。
配達完了後に届く画像で荷物の到着が確認できるほか、サインやハンコもいらないので配送業者と対面する必要もなく、時間や場所の制限がなくなるのも利用者側のメリットです。
しかし、利用が徐々に広まる一方で、ユーザーからはトラブルが起きたという声も上がっています。例えば、30代男性は配送員に荷物を置き去りにされた経験を明かします。
「玄関先に付けたバッグに届けてくれるサービス『OKIPPA』でと指定したら、Amazonの配送員が本当に『置きっぱなしでいい』と勘違いしたのか、玄関前に荷物が放置されていました。さらに、万が一に備えて自宅の鍵を渡してある近所の親戚に確認してもらい『荷物を家に入れておいて』と頼んだら、玄関の地べたにそのまま置いてある荷物の写真が送られてきて……。仕事で使うハードディスクだったので、たまたま晴れていたからよかったものの、雨が降っていたら1万6000円がパーになるところでした」
リンク:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191022-00222580-bizspa-bus_all
[単語]
1.垣根: 敷地を限るために設ける囲いや仕切り。
2.置き配:宅配便で、荷物を玄関やその周辺に置いて配達完了とすること。
3.野ざらし:野外で風雨にさらされること。
4.あわや:危険などがその身に及ぶ寸前であるさま。あやうく。
5.軒先:家の前の軒に近い場所。
6.置き去り:その場に残したまま、行ってしまうこと。置き捨て。
7.明かす: 物事をはっきりさせる。今まで隠していたことを明るみに出す。
8.地べた:土地の表面。地面のくだけた言い方。
9.パーになる:進行していた計画や物事が途中で無くなること。