iPS細胞でパーキンソン病の臨床試験開始へ 京大グループ
国内におよそ15万人いるとされる難病のパーキンソン病について、京都大学のグループは、iPS細胞を使った新たな再生医療の臨床試験を近く始めることになりました。iPS細胞を応用した再生医療が、一般的な治療法として保険が適用されることを目指す臨床試験として行われるのは初めてです。
パーキンソン病は、ドーパミンという神経の伝達物質を作り出す脳の神経細胞が失われることで手足が震えたり、体が動かなくなったりする難病で、国内におよそ15万人の患者がいるとされていますが、現在、根本的に治療する方法はありません。
京都大学医学部附属病院の高橋良輔教授と京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授らのグループは、iPS細胞を使った新たな治療法について、大学と国の審査などを終え、近く臨床試験を始めることになりました。
臨床試験は、数人程度を対象に、ヒトのiPS細胞から作り出した神経の元となる細胞を脳に移植し、細胞が神経細胞に変化してドーパミンを作り出すことで根本的に治療することを目指します。
iPS細胞を使った再生医療の臨床応用は、網膜の病気で実施されたほか、心臓病で計画が承認されましたが、iPS細胞研究の中心となる京都大学自体が乗り出すのは初めてとなるほか、一般的な治療法として保険が適用されることを目指す臨床試験として行われるのも初めてです。
リンク:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180730/k10011555761000.html?utm_int=news_contents_news-main_003
【単語】
1.難病:治りにくい病気。難症。
2.臨床試験:薬剤や医療器具等の安全性、有効性などを確認するために、治療を兼ねて行われるテストのこと。
3.細胞:生物体を構成する形態上・ 機能上の基本単位。
4.目指す: ① そこを目標として進んで行く。 ② 行動の目標とする。 ③ 目あてとして見る。
5.移植:生物体のある器官や組織の一部を切り取って、同一個体の別の場所または別の個体に移しかえること。
【質問】 記事を読んで次の質問に答えてください。
1.京都大学グループから臨床試験を近く始めることになったのはどんな病気についてですか?
2.今回の臨床試験はどのようの行われますか?
3.今回の臨床試験が意味をもつこと二つを挙げてください。