【最新】トランプ氏 暗号資産の利用推進の大統領令に署名
2025年1月24日 13時06分 トランプ大統領
トランプ大統領は、暗号資産などのデジタル資産の利用を推進する大統領令に署名しました。
今月20日の就任直後から次々と大統領令に署名するいっぽう、アメリカで生まれた子どもには両親の国籍にかかわらずアメリカ国籍を与える仕組みを見直すとする大統領令について、西部ワシントン州の連邦裁判所は憲法に違反しているとして、一時的な差し止めを命じました。
トランプ政権をめぐる最新の動き(日本時間23日~24日)をまとめました。
”デジタル資産の利用推進” 大統領令に署名
トランプ大統領は23日、暗号資産などのデジタル資産の利用を推進する大統領令に署名しました。
大統領令では、デジタル資産業界がアメリカにおける技術革新や経済発展に重要な役割をもつとしたうえで、デジタル資産とブロックチェーンと呼ばれる暗号化技術などの成長と利用を、経済のあらゆる分野で推進するとしています。
そのうえで、ホワイトハウスで大統領に経済政策を助言する「国家経済会議」に関係する政府機関のトップなどでつくる作業部会を設置し、利用の推進に向けた規制や立法を提案する報告書を180日以内に提出するよう求めました。
また、作業部会に対し、犯罪の摘発などから押収した暗号資産から生まれるデジタル資産の備蓄が可能かどうかを検討することなども命じています。
一方で、中央銀行が発行するデジタル通貨については禁止するとしています。
暗号資産の規制緩和を掲げるトランプ氏が去年11月の大統領選挙で勝利して以降、代表的な暗号資産の一つ、ビットコインの価格が初めて10万ドルを超え、大幅に上昇していました。
今回の大統領令でアメリカにおける暗号資産の利用推進への政策転換が鮮明となり、市場での関心も高まりそうです。
ケネディ大統領暗殺などの機密文書 全面公開求め署名
トランプ大統領は23日、ホワイトハウスで1963年に当時のケネディ大統領が南部テキサス州ダラスで銃撃されて死亡した事件について、政府が機密指定している文書の全面公開を求める大統領令に署名しました。
署名する際、トランプ大統領は記者団に対し「多くの人が何年も待ち望んでいる。すべて明らかになる」と述べました。
大統領令では、15日以内に国家情報長官や司法長官などが、事件に関連する文書の全面公開に向けた計画を示すよう指示しています。
事件をめぐっては、元海兵隊員のオズワルド容疑者が逮捕され、調査委員会は単独犯だとする結論を出しましたが、キューバや旧ソビエト、それにCIA=中央情報局などが関与したのではないかという陰謀説も絶えません。
捜査資料など機密文書の大部分はすでに公開されていますが、残る一部の文書については安全保障上の懸念などから非公開の状態が続いています。
また、大統領令ではケネディ大統領の弟のロバート・ケネディ元司法長官や、公民権運動の指導者キング牧師の暗殺事件についての記録も全面公開するよう求めていて、いずれも45日以内に計画を示すよう指示しています。
連邦裁判所 “出生地主義見直し”の大統領令を一時差し止め
トランプ大統領は就任初日の20日、不法移民対策としてアメリカで生まれた子どもには両親の国籍にかかわらず、アメリカ国籍を与える現在の仕組みを見直すとする大統領令に署名しました。
これに対して民主党が主導する22の州などは翌日、大統領令が憲法違反だとして、連邦裁判所に差し止めを求める訴えを起こしました。
このうち、ワシントン州など4つの州が連名で起こした訴えの審理がシアトルの連邦裁判所で23日開かれ、連邦判事は14日間の一時的な差し止めを命じたうえで、今後、長期的な差し止めについても検討する意向を示しました。
ニューヨーク・タイムズはこの判断が全米に適用されると伝えています。
ABCテレビによりますと、審理の中で連邦判事は「これは露骨な違憲命令だ」としたうえで、「合憲だ」とする司法省の弁護士に「法曹界の一員がなぜこれをはっきり合憲と言えるのか理解しがたい」と述べたということです。
今回の裁判所の判断に対し、トランプ大統領は控訴する意向を示しました。
“移民などの一斉摘発 460人以上拘束” FOXニュース
アメリカのFOXニュースは、トランプ大統領の就任後、全米各地で犯罪歴のある移民などの一斉摘発が行われ、460人以上が拘束されたと23日、伝えました。
一斉摘発は、ニューヨークやボストンなど移民に寛容な政策をとる「聖域都市」と呼ばれる地域を中心に全米各地で進められました。
FOXニュースによりますと、トランプ大統領が就任した翌日から2日間で、性的暴行や強盗といった犯罪歴のある移民など460人以上が拘束されたということです。
このうちボストンで拘束されたハイチのギャング組織のメンバーの1人は、「ハイチには戻らない」としてトランプ大統領などへの暴言を叫んでいたと伝えています。
ABC系列のテレビ局は、ボストンの住民からは「悪いことをした人ならば、その結果に直面するべきだ」という声が聞かれる一方で、「移民を標的にしたものなら率直に言って必ずしもより安全になるとは感じられない」という声も聞かれたと伝えています。
トランプ大統領は20日の就任演説のなかで、「連邦や州の法執行機関が持つ圧倒的な力を全面的に行使し、アメリカの国土や都市に壊滅的な犯罪をもたらしているすべての外国人ギャングや犯罪組織を排除するよう指示する」と述べていました。
福岡厚労相「状況把握し各国と連携」WHO脱退表明で
トランプ大統領が、WHO=世界保健機関から脱退すると表明し、大統領令に署名したことについて福岡厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し、加盟国間の影響力の変化や、財源不足による活動への影響などがありえるとした上で、「状況を把握しながらアメリカを含む各国と連携し、国際保健の諸課題に取り組んでいきたい」と述べました。